ひらひらくるくる

風のたよりの裏側へようこそ

健康診断(神回)

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

管理人のかざひなです。

 

この前健康診断行ったんですよ。めっちゃくちゃ寝不足のまま。なんせね、仕事の夢見て起きて、もぞもぞしながらうとうとを繰り返すという最悪の状態ですわ。

個人的に最初の難関って尿検査なんですけど分かる人います?

「おしっこ出るかなぁ〜こわいなぁ〜こわいなぁ〜」つってコップ持って個室入るんですけど。

まぁ大体出るんですけどね。

 

そんな感じで身長体重腹囲と進んでったんですけど、今の検診センターってありがたいですね。

なんでもデータのやり取りで進んでいく。

腹囲を測ってる時にモニターに一昨年ぐらいからのデータが映ってるんですが…着実に、着実に成長してるんですよ。

「やべぇ、育ってしまった」

って思わず口から出てきたんですよね。思ってるだけの予定だったのに。急にサトラレ発動しちゃってんの。

「ふふ、ま、うん。ちょっとね。ちょっとずつね、年々ね、ふふ…次聴力行ってください」

お姉さんに迷惑な笑いをお届けしてしまったあと聴力検査へ。

ヘッドホンを耳に取り付けられるんですけど、(ズレてるような?気のせいか?耳には当たってるしな。)とかぼんやりしてたらスイッチを持たせられる。

何も聞こえてないのにとりあえずなぜか押す。

あ、やべぇと思って何を思ったのかもう一回押す。

反対側の低めの音を幻聴かな?と思いスイッチを押さない。

最近無音だと「ツー」みたいな「プー」みたいな音が聞こえる時があるんだけど、そいつに近かったんだよね。

そして胸部Xレントゲン。

そこへ登場したるは夢の国もびっくりのエンタメに優れたお兄さん。

「はいっあごのせて〜♪両手は脇に、こうやって〜♪髪の毛は邪魔だから、くくっちゃいまぁ〜す!(手早くクリップで留められる)はい!大きく息をして〜〜………はい楽にして〜♪はい!こちらで以上になりまぁっす!お次はこちら〜(扉ガラガラ)」

え?ミュージカル始まった?ってぐらい陽気に案内してくれる。

40年近く生きてて初めてなのでは?こんなエンタメ豊富なレントゲン。

笑ってはいけないと思うほどに笑いが込み上げてきて、きちんと息を吸えたかどうかが定かではない。

とりあえず楽しい気持ちでラスボスの採血場に向かう。

管理人ね、血管がか細いの。

必ず両腕一生懸命叩かれるし、擦られる。

そして高確率で針を刺してから血管を探される。

これがまた痛い。

それか、担当になりそうなスタッフがカルテ?を見た後後ろに下がり何かを相談している。

そして緊張のせいなのかなんなのか一度採血後に立てなくなっているため必ず横になっての採血だ。

まじで採血のたびに「お手数おかけします……」と何度謝ったことか。

 

受付のお姉さんにいつもベッドでの採血になる事をお伝えした後、沈んだ気持ちで待ってると管理人の番号が呼ばれる。

 

時はきた。

 

通常の採血場に呼ばれたのでベッドでいつも採ってることを伝えると、血管を見つけてからベッドに行くとのこと。

左腕、右腕…見つからず。

いつもどっちで採ってるか聞かれるけれども、この恥ずかしがり屋の血管は毎年どちらの腕にこんにちはをするかわからない。

とりあえずベッドへと案内される。

「寒いっすか?」となかなか職人のような雰囲気を醸し出すスタッフ。

とりあえず右腕で血管を見つけたようなので、採血開始。

「……あれ?」

お姉さんの声色が変わる。

「ここにあるはずなんだけど……うーん……血が出てこないな。いるんだけどな」

なんだろう…私の血管どうなってんの?スパイ遊びしてんの?ミッションインポッシブル的な感じなの?

 

「……だめだ。別の人呼んできます…!」

「すみません…ほんとお手数おかけします…」

「…連続で刺されても……大丈夫っすか?」

お姉さんの顔が心配そうな色に変わる。

「大丈夫です…!!!」

「…わかりました…!!呼んできます!」

職人のお姉さんが決心した顔で出て行った後何やら相談の声が遠くに聞こえる。

私はどうにか意識を月見フォカッチャに向けていた。

 

この診断終わったら、私、月見フォカッチャ食べるんだ…!

 

カーテンの開く音がフォカッチャを頬張ろうとした管理人を現実に引き戻す。

(あ…!!あなたは……!!受付のお姉さん!!)

「大丈夫?どっちの腕でやった?」

「あ、右です…」

「うーん…じゃあ反対の腕でやろっか。右は刺したばっかりだし」

「あ、はい。お手数おかけします……」

「そんなことないよ〜、こちらこそ何度もごめんなさいね」

そう言ってお姉さんは左の血管を探る。

「うーん…いるんだけど、奥だね」

「そうですか……」

一気に心臓が跳ねる。

「ちょっとね、奥に刺すから。痛かったら言ってね」

「はいっ!!」

そう言って渾身の力で目を瞑りフォカッチャを出来るだけ繊細に作り上げた。

またしても頬張ろうとした時

「はい、おつかれさまでした〜!」

優しい笑顔で腕にテープと止血バンドを止めてくれるお姉さんが目の前にいた。

全く痛くなかった。最初のお姉さんもだけど、こんなに針刺されるの痛くないことあるのか…!

しかも一回で終わった!!

「無事ね、採血できたから。また後で起こしにきますからね、ゆっくり休んでてください」

そう言ってお姉さんは颯爽と出ていった。

これで長いような短いような闘いが終わった。

ありがとう、これで管理人は月見フォカッチャを食べに行ける。オニオンリングもつけようか。

とにかく、心が穏やかだ。

ラスボスをクリアした後の余韻に浸りながら私は何度もお礼を言った。

 

 

ありがとう、受付のお姉さん……